「スキーに挑戦したいけれど、やり方がわからない…」「誰かにぶつかってしまわないか心配だな…」という方は多いかもしれません。あまり雪が降らない地域では、ウィンタースポーツに馴染みがないことでしょう。そこで、ズバリ!スキー経験ゼロの初心者の方のために、スキーのやり方について詳しく解説します。滑り方から止まり方、曲がり方までていねいに紹介するので、スキーを始めたい方はぜひ参考にしてください。
スキーをやってみたいけれど何から始めればいいのかな・・・。
スキーはウィンタースポーツの定番だけれど、やったことがないという人は結構多いよね。ウィンタースポーツに興味があるならば、スキーの滑り方くらいは知っておいた方が安心かもね。
そうだよね〜。でも、止まり方さえ知らないから、ゲレンデデビューは不安だなぁ。
それじゃあスキーのイロハを解説するね。スキー場に行く前に基本の動きを知っているとゲレンデデビューも心配ないよ!
まずは初歩から!スキーの基本姿勢と歩き方
スキー場でスキー(スキー板)を装着したら、初心者でもかっこよく見られたいですよね。基本的な姿勢(ポジション)を覚えておくとスキーの滑り方をマスターする際にも役立つため、まずは姿勢と歩き方からしっかり身につけていきましょう。
①スキー(スキー板)の確認
スキーはスノーボードに比べてバランスがとりやすく、基本姿勢も難しいものではありません。板の種類にもよりますが、基本的にスキーは立った状態で足を板に固定します。その際、ストック(手に持つポール)を左右それぞれの手に持って支えにすると安心です。ブーツをスキーに固定したら、左右共に間違いなく固定されているか、ゆるんでいないか、足を前後に少し動かして確認しましょう。金具に故障や不具合があると怪我や事故の原因になるため、スキー装着の際は必ずチェックしてください。スキー装着後の姿勢や確認時の足の動かし方などは、この後に解説する基本姿勢や歩き方を参考にして実践してみてください。
②基本の姿勢
スキー装着時の姿勢は、重心を移動しやすいように軽く膝を曲げた前傾姿勢が基本です。ブーツの形も前傾になるようにできていて、脛がブーツに軽く当たる状態になります。スキー初心者は、恐怖感から腰が引けてしまいがちですが、安定した滑り方ができるようになるためには、前傾姿勢を守ってくださいね!
もう1つの重要なポイントが、重心を板の中心におくことです。スキーは重心を移動することで方向転換しますが、体が左右どちらかに傾くとバランスが崩れてしまいます。体が傾かないように、重心が中心にあるときのポジションを体で覚えてしまうのがおすすめです。
基本姿勢のポイント
・前傾姿勢
・重心はスキーの中心
なお、ストックは滑りをサポートするための道具のため、ストックの作用で方向転換するようなことはありません。初心者の方は、ストックなしで基本姿勢を保てるようなイメージで練習してみてください。
③スキーの歩き方
スキーの基本的な歩き方には、3つの方法があります。
・平らな雪面…スキー板を滑らせる歩き方
・斜面…横歩き(カニ歩き)と八の字歩き
平らな雪面は、すり足の要領で、雪面からスキーを離さずに滑らせて進みます。ストックで押し出すようにして、体を前に傾けるのがポイントです。横歩きはゲレンデに対して横向きになり、カニのように斜面を移動する方法です。斜面にスキー板のエッジをしっかり立て、左右の板を平行に保ったまま移動します。八の字歩き(別名・開脚歩行)は、板の先(トップ)を開いたハの字の状態で進む歩き方です。内側のエッジを立てることで、斜面を滑らずに歩けるようになります。それぞれ、平坦な場所で練習し、スキーの扱いにある程度慣れてからリフトやゴンドラを利用するのが安心です。どの歩き方も基本姿勢を意識し、重心が中心になるよう注意して練習してくださいね!
④スキー板の種類
スキーは、板の種類によっても重心が変わるため、違う板を選ぶことで滑りやすさも変化します。参考までに、どんなタイプの板があるのかもチェックしておきましょう。
スキーは大きく分けて
・ロングスキー…一般的なスキーのこと。130㎝前後の長さがある
・ショートスキー…90~100cm前後の長さ。小回りがきくが安定感が悪くなる
・テレマークスキー…かかとを固定しないスキーで、近年人気が上昇している
・カービングスキー…板が太く短い、曲がること(カービングターン)に特化
一般的にスキーと呼ばれているものはアルペンスキーという形式で、スキーの楽しみ方によって選ぶ板の種類も変わります。一般的なアルペンスキーはレンタルショップやスキー教室などを利用しやすい環境のため、スキー初心者の方はアルペンスキーで基本を覚えてから好みのスタイルに変えるのがおすすめです。
基本の姿勢やスキーの歩き方は、初心者でも平坦な場所で少し練習すればすぐできるようになります。。ただし、斜面に対してスキーや体の角度が適切でないと、スキーの特性上、滑って落ちてしまいます。平面でも斜面を想定して練習し、安全にスキーを楽しんでくださいね!
スキーの滑り方の前に!初心者に大事な転び方を覚えよう
基本姿勢や歩き方を学んだら、次は滑り方、ではありません。スキーを安全に楽しむには、怪我の予防として正しい転び方をマスターする必要があります。ほかのプレイヤーに迷惑をかける危険があるだけでなく、自分のスキーのエッジで怪我をする可能性もあるため、必ず転び方を覚えてからゲレンデデビューしましょう。
転び方のポイントは3つです。
・お尻から転ぶ
・板は平行にそろえ、ストックは手放す
・斜面側に転ぶようにする
お尻から転ぶことで手や脚の骨折を回避できます。その際、板が平行でないと脚や腰に無理な負荷がかかるため、できるだけ平行にそろえます。同様に、ストックも手放してしまうほうが安全です。
また、急な斜面では、頭が下を向いていると頭の重みでそのまま転がり落ちていく危険性があります。スピードが出ているときも、斜面側に転んで勢いを抑えるようにしてみてください。
スキーの立ち上がり方
スキーは、立ち上がり方にもコツがあります。
・斜面側に体を倒しておく
・スキー板はそろえ、斜面にエッジを立てて体に近づける
・山側に手をつき、体を板の上に乗せてから」立ち上がる
立ち上がった直後はバランスを崩しやすいため、ストックを使って支えにすると安心です。また、前後に滑ってしまわないように、板の向きもしっかり合わせておきてくださいね。
ボーゲンから直滑降まで!初心者が知っておくべき滑り方
転び方も覚えて準備が整ったら、いよいよスキーの滑り方です。スキーの滑り方にも種類がありますが、3つの滑り方を覚えておけば、初心者でも存分にゲレンデを楽しめます。
今回は、次の3つの滑り方をマスターしましょう。
1.ボーゲン
2.パラレル
3.直滑降
①ボーゲンの滑り方
初心者が最初に覚える滑り方がボーゲンです。方向転換や止まり方などにもつながる基礎的な技術も身につくので、頑張って練習しましょう。
ボーゲンはハの字での滑り方です。板の先端は閉じたまま、後ろ(テール)を開いた状態で滑ります。
ボーゲンの滑り方(基本の姿勢)
・スキーは八の字をキープ
・前傾姿勢で膝を軽く曲げる
・太ももに力を入れて、姿勢を維持する
ボーゲンはスキー板を八の字にすることによって雪面との間に摩擦を起こし、スピードを抑えながら滑ります。膝を伸ばし切ってしまったり、体を起こしてしまったりするとコントロールしにくくなるため、ボーゲンの姿勢をきちんとキープすることが大切です。
ボーゲンの速度調整方法
・太ももの内側に力を入れて、板の後方を開く
・足が滑って八の字が崩れないように、自分でコントロールする
ボーゲンは、かかとを開くようにして八の字を広げると減速し、かかとを近づけて八の字を閉じるようにするとスピードが上がります。ボーゲンに慣れてきたら、かかとを開いたり閉じたりして速度調整にも挑戦してみてください。
②パラレルの滑り方
ボーゲンができるようになったら、次のステップは板をそろえる滑り方です。初心者の方でも、初めてのゲレンデでパラレルができるようになる方は多いので、余裕のある方はぜひ挑戦してみてください。
パラレルの滑り方
・左右のスキー板を平行にそろえる
・膝同士を近づけるようにする
・目線は進行方向に向け、足元を見ないようにする
パラレルはボーゲンより速度が出やすいですが、斜面をボーゲンと同様にジグザグに進んで速度が出過ぎないように進みます。また、視線を進行方向の先に向けると重心の位置がよくなり、速度も自然と抑えられます。斜面が急で速いと感じる場面では、初心者は無理しないでボーゲンで安全に越えるのがおすすめです。
③直滑降の滑り方
直滑降はスキーの初心者向きではない滑り方ですが、滑り方の方法として知っているとほかのプレイヤーの動きが予測しやすくなり、ゲレンデでの事故の予防に役立ちます。直滑降は雪山に対して板を縦向きにして、そのまま真っすぐ滑る方法です。速度は平均時速20~30km、最高速度は時速45kmほどと大変速くなります。ゲレンデには直滑降のプレイヤーもいるため、まだ遠くにいると思っていても急接近する可能性があります。速度の出る滑り方をしている人がいる場合は、先に行かせてから自分のペースで練習するようにしましょう。
初めはたくさん転んで苦労するかもしれませんが、コツさえつかめば、すぐにスキーの面白さがわかるようになりますよ!
怪我をしないために!スキーの安全な止まり方
ここまでスキーの滑り方を解説しましたが、滑り方と同時に覚えなければならないのが止まり方です。安全にスキーを楽しむために、正しい止まり方もできるようにしておきましょう。スキーの止まり方には、ボーゲンのハの字の角度を広げて止まる方法と、斜面に対して板を横向きにして止まる方法がありまです。スキー初心者は、まず安全性の高いボーゲンの止まり方を身につけるのがおすすめです。
①ボーゲンでの止まり方
ボーゲンの姿勢を基本に、そこから板の後方を開くことで徐々に減速して止まります。急に板を開くのは危険なので、少しずつ角度をつけるのがポイントです。ただ、ゲレンデの傾斜や滑走時の速度によっては、ボーゲンだけで止まりきれないこともあります。状況によっては事前にトップとテールを閉じたり開いたりして減速していきましょう。スキー初心者の場合、最初は重心が前後左右に動いてうまく止まれないこともあります。うまく止まれないようであれば、次のコツを参考に練習してみてください。
ボーゲンで止まるコツ
・左右の板を左右均等に開き、重心は板の中心
・体を傾けないようにする
・止まりにくい斜面では、板の内側のエッジをきかせる
②斜面に板を横向きにする止まり方
ドラマや映画で見るような板をそろえて止まる方法で、かっこいい止まり方として憧れるスキー初心者の方もいるでしょう。しかし、中級~上級者向けの方法で、初心者が無理にするのは危険です。そのまま転倒して怪我をする恐れもあります。慣れないうちはボーゲンで止まるようにしてください。
一通り練習したら、そろそろコースに出たいと考える方もいるでしょう。ふもとの傾斜が緩やかな場所での練習で上達したら、次は初心者コースから慣れていくことをおすすめします。中・上級コースでかっこよく滑りたい気持ちもわかりますが、安全第一でいきましょう。
方向転換もお手の物!自由自在に動くためのターンのやり方
ここまではスキー板の操作や姿勢、重心移動で滑る方法を学びました。次のターンではさらにプラスして、ストックを持つ腕や手の効果的な使い方も覚えていきます。スキーの操作が難しいと感じる方は、まずは足元の動きに注力して、余裕ができてから腕の使い方をマスターするようにしてみてください。
ターンのやり方
ターンは、ジグザグと滑りで、ゲレンデを縫うようにして滑ります。傾斜を緩やかに移動できるため、角度がキツイ斜面でも速度を落として滑ることができます。ターンにはいくつかの方法がありますが、初心者の方はまずボーゲンでおこなうターンから覚えていきましょう。
ターンの滑り方
・ボーゲンの姿勢を基本に、ターンしたい位置で外側の板に体重をかける
・ターンの際は、曲がりたい方向に視線を向ける
・ターンを終えるのに合わせて重心を元の位置(中心)に戻す
ターンのコツは、外側の足のかかとで雪面を押すようにして体重をかけることです。ボーゲンでおこなうターンは速度が抑えられるため、初心者でも安心して練習できます。失敗してもお尻から転べば痛みも気にならないので、何度でもチャレンジしてモノにしてしまいましょう!
次に腕や手の使い方を確認しましょう。先に下半身の動きを確認しましたが、実はスキーでは腕と手を使いこなすと簡単に曲がれます。
ターンでの腕の使い方
・腕と手を羽根のように広げる
・姿勢を維持したまま、曲がる方向逆の手を下げる左
腕を効果的に使うと自然と重心が移動し、思っている方向に曲がることができるようになります。また、腕と手を広げて風を受け止めることにより、スピードの抑制効果も得られます。とくにスピードが出ている場合は、全身を使って減速し、転倒の危険を回避してください。板だけで減速するよりも、安全性が高まります。
速度の減速には、板のエッジを利用する方法もあります。見栄えはしますが、エッジを利用して減速したりターンしたりする方法は、慣れないうちは危険もあり、注意が必要です。エッジの使い方は実践の回数を重ね、少しずつ体で覚えていくようにしましょう。
脱初心者!パラレルターンのやり方と注意点
パラレルターンは、パラレルの要領で板を平行に並べた状態でターンする滑り方です。曲がるときにエッジを立てるのが特徴で、ターンでもボーゲンほど速度が落ちません。脱・初心者を目指すなら、まずはパラレルからボーゲンターンの流れで練習し、上達したらボーゲンからパラレルターン、最後にパラレルからパラレルターンという流れで、段階的に習得するのがおすすめです。
パラレルターンのやり方
パラレルターンは、板を平行に保ったままターンする滑り方です。スキー初心者は、まずはゆるやかな斜面で練習してみてください。
パラレルターンの滑り方
・パラレルの要領で板を平行にそろえてターンに入る
・板はそれぞれ斜面側のエッジをきかせる
・斜面側(ターンの内側)の板の上に体を乗せるようにして重心を移動する
パラレルターンでは板を平行にして斜面に対するため、内側の脚は体に引き付けるように膝を曲げ、一方で外側の脚は少し伸ばすような恰好になります。意識的に脚をこのように動かしてあげるとターンがスムーズになるため、パラレルターンの基本を覚えたらトライしてみてください。
また、パラレルと同じで、つい足元を見てしまうかもしれませんが、目線を下げるとバランスがとりにくくなるので注意が必要です。目線を上げて、進行方向を向きましょう。姿勢も、しっかり前傾姿勢をキープすることが大切です。板を揃えると直滑降のようになるため、つい重心が後ろになりがちですん。板が浮いて余計にスピードが出るうえに、後ろに倒れ込んだ形で滑ってしまうため非常に危険です。スピードはターン後に調整すると考え、思い切って前傾姿勢してみてください。成功しやすくなりますよ。
スキーの滑り方をマスターすれば可能性は無限大!
いまさらスキーの滑り方を聞くなんて恥ずかしい、と思っていませんか?誰でも最初はスキー初心者なので、上手に滑れなくて当然です。スキーは正しい方法で練習すれば必ず上達します。。うまく滑れるようになれば、ウィンタースポーツの醍醐味を知り、次のシーズンがもっと楽しみになるはずです。
ここまで記事を読んだなら、あなたのゲレンデデビューはもう目前です。焦らずに自分のペースで基礎をしっかり身につけ、真っ白なゲレンデを思いっきり楽しんでくださいね。
<スノボ初心者向けの記事はこちら♪>
【スノボ初心者】滑り方を徹底解説!ターンからS字までかっこいい滑り方を紹介
<その他のスキー・スノボ初心者向け記事はこちら♪>
スノボ・スキー初心者向け】おすすめスキー場★長野・新潟・群馬・東北エリア。スノボ・スキー初心者ならここ!
初心者でも安心の東北おすすめスキー場7選★初級コース情報あり
長野で初心者におすすめのスキー場ランキング8選♪